かつて理解できなかったことが、時を経て理解できるようになる、ということがあるのに気付いた。
おそらくあれは小学4年生くらいの時だったであろう、平井堅がイベントに登場して歌ったというワイドショーの一話題があった。
そこには最前列で涙を流している女性の姿があった。
それを見た私はなんで泣いているんだ、歌を聴いて泣く意味がわからない、と冷めた目で見ていた。
しかし昨年、私はKinKi Kidsの全部抱きしめてを聴いて泣いた。
初めて歌で泣いた。
平井堅で泣いていた女性がどういう感情になって泣いていたのかはわからないが、歌詞や自分の体験など相まって涙が出てしまうことがあるのをここで初めて知った。
この時、自分が理解できないからといって批判的になるのは間違っているし、自分の狭い主観だけで判断して批判するのは浅はかで恥ずかしいことだとわかった。
十数年ごしに。
明らかにおかしなことには批判的にもなるが、いつでももっと余裕を持っていたい。
また先日久しぶりにテレビで西野カナのトリセツを聴いた。
以前はなんだこの我が儘な女は、偉そうに、とこの曲が嫌いだった。
が、先日聴いた時はどうだろう、なんと共感してしまったではないか。
私はいつからか恋い焦がれる系の女になったのか。
なんならかつて笑っていた会いたくて会いたくて震えるという歌詞も今じゃ馬鹿にできない。
私は今西野カナの曲が理解できるJKレベルに達したようだ。
馬鹿にしていたようで、逆に馬鹿にされるレベルだったようだ。
恥ずかしい。
音楽関連のことばかりで思い起こしたが、あらゆることで言える。
後から経験することで理解できることがある、なんでもかんでも否定的になるべきではない。
こうわかったはずなのに、感情が絡むとなると負、そして沸き立つ攻撃性。
結局駄目だ。
わかった気になっただけ、いつも。